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貝葉胎金漆蒟醤塗硝子貼り経典(カモワーサ・カマワーサー)

ビルマ(ミャンマー) マンダレー様式 19世紀
材質 貝多羅葉・木・漆・金箔・硝子 全18葉(表紙、裏表紙2葉、貝葉16葉) リボン 
サイズ 62cm×16cm(貝葉 61cm×15,5cm) 貝葉2枚角に僅かな欠損あり。

貝多羅葉(棕櫚の葉に似た、多羅の葉を干して切りそろえたもの)に、漆塗りをして金箔を
押した上に、タマリンドの種から作られた濃い茶褐色の黒漆で、経文を手書きした豪華な
体裁を持つビルマで最も神聖なビルマ経典です。

この経典は戒律(出家信者の生活規律や、在家信者が信仰生活において守るべき生活
規律)や懺悔などを行う際の作法規則を意味するカンマヴァ(kammavaacaa)をビルマでは
ビルマ語で発音した「カモワーサ」「カマワーサー」という名称で呼ばれます。

カモワーサは、通常は木製に漆塗りし金箔で文様を装飾した表紙ですが、この経典は
通常より一回り大きなサイズで、表紙も籾殻などの灰屑と漆液をまぜ、粘土状にして手と
ヘラで植物文様をかたどり、塗金し、硝子を張り込んだ特別な豪華な裏表紙の2葉で制作
されています。

経典は貝葉16葉で構成され、ビルマの宗教文字であるパーリ語で書かれています。

植物文や鳥、天人などで美しく装飾され、経典は上下表紙を含む18葉で構成されて経典
を巻く上質な時代のあるリボン(sa-si-gyo)で巻かれています。