貝多羅葉(棕櫚の葉に似た、多羅の葉を干して切りそろえたもの)に漆塗りをし金箔、銀箔を押した上
に濃い茶褐色の黒漆で経文を手書きした、豪華な体裁を持つ神聖なビルマ経典です。
経文は三蔵(tri-pitaka)、いわゆる一切経で仏教の経典を、経(釈迦の説いた教え)、律(規則・道徳・
生活様相などをまとめたもの )、論(経、律の注釈、解釈 )の3種に経典を分類した中のからの抜粋
です。
この経典は戒律(出家信者の生活規律や、在家信者が信仰生活において守るべき生活規律)や懺悔
などを行う際の作法規則を意味するカンマヴァーチャー(kammavaacaa)をビルマではビルマ語で発音し
た「カマワーザー」「カマワーサー」という名称で呼ばれます。
パーリ語(パーリー語)の経典でパーリ語には固有の文字がなく、南伝仏教諸国ではそれぞれ自国語
の文字で表記しています。
このビルマ経典ではビルマ文字で表記されています、書体は丸い現行ビルマ文字ではなく角張った
方形の字形で書かれています。
パーリ語でもあり、字形そのものの違いと、通常のビルマ文字の場合と異なる特殊な行配置のため、
一般のビルマ人では読めず、修練した僧侶が儀式の始めに読み上げます。
カマワーザーは、木製に漆塗りし、金箔で文様を装飾した表紙、裏表紙の2葉と貝葉16葉で構成され、
通常は金箔押しですが、この経典のように僅かに金箔、銀箔の2種を使用したものもあり、貝多羅葉
以外に金属板に漆で仕上げたものや、象牙の板で作られたものもあります。
経典は植物文や鳥、天人などで美しく装飾され、カマワーザーは上下表紙を含む18葉で構成されて
経典を巻くリボン(sa-si-gyo)で巻かれ保管されます。
ビルマ マンダレー様式 19世紀
材質 貝多羅葉・木・漆・金箔・銀箔・布
18葉(表紙、裏表紙2葉、貝葉16葉) ・布・リボン
サイズ 53cmX13cm







