奉納板(ヤクシー) Sold
インド シュンガ朝 紀元前1世紀
材質 テラコッタ 高 8.3cm(台込 16.5cm)
古代インドでは、嵩仏王と呼ばれたアショーカ王のマウリヤ朝
が滅び、前2世紀にシュンガ朝(紀元前184〜72年)が栄えます。
インドで仏教美術が花開いた時代で、バールフト、サーンチー
の欄楯や塔門の浮彫に優れた遺品が見られます。
この時代は、まだ仏陀釈尊の像は人間の姿として表現される事
はなく、聖樹・法輪・仏足跡などで表現されていました。 これに
対して、仏教以前のインド民間信仰のヤクシー(女紳)やヤクシャ
(男紳)は人間の姿で表現され、門塔などに浮き彫りされ聖域を
守る守護神として大きな役割を果たします。
ヤクシーは森や樹木に住む精霊で、その姿は見えず超自然力を
持つ女紳で、恵み深い性質と供養しない者には、容赦ない禍を与
える恐ろしい性格を併せ持つ女紳です。
ヤクシーは魅力的で官能的な姿で表現され、仏教遺跡の浮彫や
奉納板として残されています、この作品は、もともとは25〜30cm
程の奉納板の残欠です。
奉納板は、粘土に型押しで制作され、美しい縁取りと、髪飾りなど
シュンガの美しい点描で表現されています。