船首飾り(ガルーダ)
クメール バイヨン様式 12世紀末〜13世紀初頭
材質 青銅 高:31cm
クメール軍船の船首飾りである神鳥ガールダの嘴部分の青銅断片です。
象嵌のための孔が随所に穿たれ、その奇怪な姿は力強く、なぜか異界
の力の存在をも感じさせます。
軍船の姿はチャンパ水軍とのトンレ・サープ湖での戦いが、バイヨン
の回廊浮彫レリーフで遺され、クメール軍船の大まかな全体像を見る
ことができます。
この作品では僅かに鍍金が残されアンコール王朝時代には黄金に輝き
軍船の船首を、鍍金された青銅で荘厳していました。
水晶などの貴石、又はガラスなどで象嵌を施し船首で黄金に輝きクメ
ール帝国の威光を放っていました。
嘴の残欠と言えどクメール青銅遺物として非常に大きなもので、遺され
た数も極めて少なく世界でも知られた作品は数点のみで貴重な作品です。
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参考画像 バイヨン 外部回廊南側レリーフ