参考図版 「踊るチャームンダー女神」 西インド 10世紀 大英博物館所蔵 インドの仏像とヒンドゥの神々展 図録 74ページ 図版27

【四門出遊】

王家に生まれ、何ひとつ不自由なく成長していた太子は、12歳の時、春の鍬入れ式で畑に出て、農夫の苦労やあえぐ牛、鳥に
ついばまれる虫をみて、弱肉強食の無常を知り心を痛め、樹(閻浮木)の下で最初の瞑想に入りました、このときどれだけ時間が
たっても樹の陰が動く事がありませんでした。
結婚しても太子は考え込む事が多く、父王は心配して城の外に出遊することを勧めました。
太子は、愛馬カンタカと馭者チャンダカとともに出遊します、この愛馬カンタカと馭者チャンダカは太子がルンピニー園で誕生した、
まさにそのとき同時に城内で誕生しました。
太子が東の門から出遊すると身体の弱った老人に出会い、南の門を出ると苦しむ病人に出会い、西門では葬儀の列と出会い、人
間の根本的な苦しみである「老・病・死」を考え、北門から出遊するとやせた姿ではあるが凛とした姿で歩く出家者(沙門)に出会
い、このとき太子は出家の決心します。

この作品では、カンタカに馬車を引かせ、東門から出遊の帰路チャンダカに、太子は胸に手を当て、城をすて、家族をすて出家の決
意をしたと心のうちを打ち明けます、これを聞いたチャンダカは父王をはじめ妃や皆がどれだけ悲しむか、「どうか太子、行かないで
下さい」と合掌してお願いしているようです。

出家する事に、チャンダカが引きとめようとしたことはガンダーラを含め見当たりませんが、シャンの類例の作品でも、この作品を含
め出城の場面ではチャンダカはカンタカの尻尾をつかみ、止めるしぐさが見られ、この馬車に乗り、合掌する人物の頭部の髪型と、
出城の場面の尻尾をつかむチャンダカの髪形が同じ事から推測いたしました。

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Siddharta Meets with Oldman,Sick and Death H:15.5cm,W:19cm

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