残欠の美 1
仏陀頭部残欠 価格 Sold
タイ ハリプンチャイ 13世紀
材質 テラコッタ 高:15.5cm 幅:14cm
タイ北部のランプーンなどで栄えた、モン族によるハリプンチャイ王国時代
の寺院装飾のための仏陀像頭部残欠です。
モン族によるハリプンチャイ美術は、タイの仏像の中でも独特の美しさを持
ったもので、遺品は極めて数少なく真正な作品を目にすることは稀です。
この作品では、頭部の羅髪は、最後部を除き粘土を丁寧に一つ一つ巻き上
げ取り付けています。その為多くは剥げ落ちていますが、その真摯な製作
態度に感動を覚えます。
又、僅かに残る眉や目のシャープな彫刻の線は緊張感が感じられこの作品
の秀逸さが見て取れます。
ハリプンチャイの硬質なテラコッタに彩色も残り、比較的完全な状態、又は頭
部だけでも全体が残されていたら、ハリプンチャイ仏像で最も優れて美しい
作品の一つであったと容易に想像できる名品残欠です。