化粧皿(草花文) Sold
ガンダーラ 紀元前1世紀~紀元1世紀
材質 緑色片岩 径 11.5cm
「化粧皿(Toilet Tray)」と呼ばれる石皿で、はっきりとした
用途は不明ですが、エジプトの化粧用パレットなどにならい
通常一般的に化粧皿と呼ばれています。
実際に化粧に用いたとする説と、彫刻に神話的図像や宗教儀礼
に関わる図像がほとんどの為、奉献品や供物皿などの宗教的な
活動に用いられたという説が一般的です。
おおよそ直径10~20cmほどのサイズで、片岩ないし凍石をロクロ
を用いて皿状に加工し凹面に浮彫装飾を施します。
ガンダーラ以外の土地で発見されるのはごく稀で、紀元前2~1世
紀頃からのものと考えられガンダーラ美術彫刻に先立つものと考
えられています。
浮彫装飾の図柄は、大半がギリシア神話に登場する神々や動物な
どをモチーフとしたものであり、化粧皿はガンダーラにおける
ヘレニズム美術の先駆的作品と評価されることもあります。
この作品は、パキスタンのタキシラ周辺出土とされ、左上に割れを
を繋ぐ補修がありますが、状態の良い作品で、T字形によって内面
を三分し、美しい草花文を浮彫しています。
裏面では、蓮華が極楽浄土を連想させる、美しい連弁が陰刻された
上品な化粧皿です。