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鐙型注口壺(蛙)

ペルー モチェ文化 後100年ー800年
材質:土器 高:18cm 横:15㎝

アンデス文明、モチェ文化の蛙をモチーフとした鐙型注口壺です。
インカ帝国で知られるアンデス文明は、1532年スペイン人による
インカ帝国の征服以前のペルーを中心とした、南米大陸の太平洋沿岸
及びアンデス中央高地に存在した、1万2千年前にベーリング海峡を
渡りアジアから移動したモンゴロイド(黄色人種)が築いた文明です。

スペイン人の1532年の征服まで、世界文明とは隔絶した特殊な環境
で文字を持つことが無く、鉄器、火薬なども存在せず、車輪の原理も
知らず戦車や荷車もありませんでした。

車輪の原理を知らなかったアンデス文明では、ろくろが無く土器も手
びねりや型を使っての造形のため独創的な象形壺が生まれました。

アンデス文明では、数多くの土器、織物が遺物として残され、土器で
は、この作品に見られる特徴的な鐙型注口の土器が知られています。
モチェ文化では、比較的数の少ない黒色研磨土器で、モチェ芸術の
特徴的な大きく見開いた目とリアリスティックなモチェの表現を顕著
に表した2匹の蛙を表現した作品です。