



漆金彩硝子貼経箱 Sold
ビルマ(ミャンマー) マンダレー様式 19世紀
材質 木・漆・硝子・金箔 経箱:71cmX21cmX25cm
台座:93cmX45cmX40.5cm
経典箱の側面には、ヴィドゥラ賢者ジャータカを10場面
で表しています。ジャータカは、過去世において何度も
生まれ変わり、 さまざまな善行をなした釈迦が功徳に
よって、現世で仏陀となることが出来たとする釈迦の前
世の物語です。
仏典には547話のジャータカが収録されており、日本で
は本生譚(ほんしょうたん)とも呼ばれています。ヴィドゥ
ラ賢者ジャータカは、古くは紀元前1世紀、インドのバー
ルフット欄楯柱に、その浮彫が残されています。
夜叉プンナカが、ヴィドゥラ賢者を空飛ぶ馬で運ぶ場面
や崖下に投げようとする場面など、このお話しに欠かせ
ない場面が漆で浮彫彫刻され、ビルマらしい可愛らしい
表現の美しい装飾の豪華な箱です。
この経典箱は、タヨー漆と呼ばれる技法で装飾されてい
ます。籾殻などの灰屑と漆液を混ぜ、粘土状にしたもの
を用いて手とヘラで文様をかたどっていきます。
植物模様などを装飾したり、仏伝や、ジャータカなどの
物語のレリーフなどがみられ浮彫彫刻のように、豪華
で立体的な仕上がりになります。
ヴィドゥラ賢者ジャータカ
古代インドの十六大国の一つ、クル国にヴィドゥラ(釈迦
の前生)と言う賢者の誉れ高い大臣がいました。賢者の
誉れ高いヴィドゥラの話しは、聞く人々に感銘を与えてい
ました。
ある日、ヴィドゥラの教えを聞いた龍王は感銘をうけ龍宮
に帰り、王妃にその素晴らしさを語ります。 王妃は、どう
してもヴィドゥラの話を聞いてみたくなりましたが、簡単に
合う事は出来ません。
そこで王妃は仮病をつかい「ヴィドゥラ賢者の心臓が無い
と助からない」と嘘をつきます。 信じた龍王は、娘に「ヴィ
ドゥラの心臓をもってきたものを娘の夫とする」と命じます。
娘と恋仲の夜叉プンナカは、龍王とヴィドゥラの心臓を持
って来たら娘と結婚をさせてもらう約束をします。
夜叉プンナカは、クル国の王と賭け事をし、首尾よくヴィド
ゥラを手に入れます。 空中を飛ぶ馬で人間の世界から龍
王の住む世界までヴィドゥラを運びますが、途中で生きて
連れて行くことも無いと、崖の上から投げ殺して王妃の為
に心臓だけを持ち帰ろうとしますが失敗します。
賢者ヴィドゥラは、龍王の娘を愛する者がどうして私を殺
そうとするのかと夜叉プンナカに尋ねます。事情を聞いた
ヴィドゥラ賢者は、王妃の心臓の話は嘘で、本当は私の
話を聞きたいだけだと真相を見抜きます。
ヴィドゥラ賢者は夜叉プンナカに、善人の行うべき道を説
きます、教えを得て改心したプンナカはヴィドゥラを龍宮に
連れて行きます。ヴィドゥラは、龍王と王妃の前で説法を
し龍王夫妻を喜ばせます。
話し終えるとヴィドゥラは、龍王にどうぞ私の心臓をなす
がままにしてくださいと申し出ます。龍王は「賢者の心臓
とは智慧のこと、貴方の智慧に心から満足しました」とい
いました。ヴィドゥラは、 めでたく龍王の娘を妻にした夜叉
プンナカを供に、クル国へと帰路につくと言う物語です。