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ヴァジュラ(金剛杵)
クメール アンコール期 12世紀~13世紀
材質 青銅 長:14.2cm (展示台含 高:6.5㎝)

ヴァジュラの由来は、紀元前1200年~前1000年頃に編纂された古代インドの
バラモン教の聖典「リグ・ベーダ」において、神々が獰猛な悪魔の首領ヴリト
ラを殺すため、偉大な聖仙ダディーチャ(ダディヤッチ)の骨から工芸神トゥヴ
ァシュトリが一心不乱に仕事に励み、こよなく(比類なく)恐ろしい形をした最
強の武器であるヴァジュラを造り上げたと述べられています。

ヴァジュラはインドラ神を始めとする諸神の神聖な武器で、如何なるものより
も固く、金剛石(ダイヤモンド)のように堅固であるとされます。

古代インドの武器であるヴァジュラは、密教において心中の煩悩を打ち砕く
菩提心の象徴として儀礼に採り入れられ密教法具・金剛杵とされます。

クメールのヴァジュラは、殆んどが中央の杵形の把手の両端に5本の鈷(刃・
きっさき)をもつ五鈷杵で、中鈷を中心に四方に脇鈷が外に広がるかたちで、
脇鈷基部には獣頭を表しています。

脇鈷の一本に補修(画像多少色の変化が見られます)と1本に脇鈷基部に
折れの繋ぎ補修があります。

出展
在日本国カンボジア王国大使館後援「アンコール王朝展」2005年
所載
世界遺産アカデミー(クラブツーリズム株式会社)展示品ガイド(資料添付)